【抜粋】形はなんでもOK 糸かけ・糸かけ曼荼羅の作り方

こんにちは、糸とおし作家のそまくみこです。

 
「糸かけ 糸かけ曼荼羅」の作り方の解説を書きましたが、糸かけについてや素数についてなども書いたこともあってボリューミーになってしまったので、そこから作り方の部分を抜き取りました。
純粋に作り方だけを見たい方は、こちらのほうが見やすいと思います。
どうぞこちらをご覧ください。

 
糸かけ・曼荼羅・素数についての解説も読みたい方は、抜粋前の記事をご覧ください。
形はなんでもOK 糸かけ・糸かけ曼荼羅の作り方(初心者にオススメ)

 
基本的な掛け方を覚えてしまえばどんな形にも応用できます。
円形だけでなく、三角形・四角形などもできます。

 
ぜひ掛け方をマスターして色々な形で掛けてみてくださいね!

  
「糸かけ 糸かけ曼荼羅」の楽しさ・魅力が伝わりますように✨

 
 
 

 
 
  糸かけ曼荼羅の作り方(基本的な糸の掛け方)

 
糸かけ曼荼羅の作り方を「五角形」で見ていきましょう。
糸の掛け方はどの形でも同じですので応用してください。

 
まずは必要なものの準備です。

 
 
用意するもの

 
板(正方形30×30㎝)


ハサミ
カナヅチ
作図用の紙
コンパス 定規 ペン
目打ち ピン(画鋲) キリ マスキングテープ

 
 
板は正方形で、大きすぎず小さすぎない30×30㎝のものが作りやすいです。
釘を打つので、厚さは1.5㎝以上あるといいです。
ホームセンターで購入できます。
正方形にカットされた状態で陳列されていない場合はカットしてもらいましょう。
焼板・桐板などお好みの色の板を購入してください。

 
釘は、19㎜以上の長さのものを用意しましょう。
真鍮・銅・ステンレスなどお好みのものを購入してください。
頭が丸いもののほうが糸が掛けやすいです。

 
糸は、基本的になんでもOKです。
掛けやすいのは細い刺繍糸やミシン糸ですので、最初のうちはこういった糸を使うといいと思います。
100均で売っている糸でもできますが、切れやすいのであまりオススメしません。

 
ハサミは、普通のハサミでも糸切り鋏でも構いません。
糸が切りやすければOKです。

 
カナヅチは、小ぶりのものがオススメです。
釘の間隔が1㎝くらいになるので小さいほうが打ちやすいです。

 
作図用の紙は、板と同じ大きさのものを用意しましょう。
包装紙の裏など書きやすく見やすいものであればなんでもOKです。

 
コンパス・定規・ペンは、作図する時に使います。
作る形によっては分度器もしくは全円分度器もあると便利です。

 
目打ち・ピン(画鋲)・キリ・マスキングテープは、作図したものを板に写す時に使います。
目打ち・ピン(画鋲)・キリのどれかがあればOKです。

 
 
 
作り方

 
作図→釘打ち→糸掛けの順で進みます。

 
 
作 図

 

 
  作る形、釘の位置を描いていきます。

 
  今回は五角形・釘75本でやります。
 
  五角形を描いたら、釘の間隔が均等に
  なるように印を付けていきます。
 
  一つの辺に15本の釘になります。
  (隣の辺と重なる釘もカウントすると16本)

 
 
 
 
 
 
 
 
円形の場合だと、24本・48本・64本があります。
コンパスで円を描き、釘の本数に応じて等分して釘の位置の印を付けます。
 
三角形や四角形などの◯角形の場合は、それぞれの辺の釘の本数が同じになるようにします。
 

 

  
  釘の間隔は1㎝以上になるように
  しましょう。

 
  慣れないと1㎝未満は難しいです。
 
  垂直に高さを揃えて釘を打つと
  糸が掛けやすいので、1㎝以上の間隔に
  なるように形の大きさを調整して作図
  してください。
 
 
 
 
 

釘打ち

 
作図した紙を板の上に重ね、マスキングテープでずれないように固定します。
 
紙の上から目打ち・ピン(画鋲)・キリなどで釘を打つポイントに印を付けます。
板に印が付く程度でOKです。
キリを使う場合は、釘の径より大きな穴にならないよう注意しましょう。

 

 
  板から1㎝の高さに揃えて打ちます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

【釘を綺麗に打つコツ・ポイント】
・最初は浅く
・何本か打ってから定規を当て高さを確認しながら少しずつ優しく
・丁寧に慎重に
 (高さが揃っていなかったり、曲がって打ち込んでしまったりすると糸が掛けにくい)

・カナヅチの平らな面と凸面を使い分ける
 (高さを揃えていく時には平らな面を、飛び出ている釘を打つ時は凸面を)

 
 

 
  板の下にタオルなど衝撃を吸収するもの
  を敷くとよいです。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
糸掛け(基本的な糸の掛け方)

 
掛け方はとても単純です。
「数えて掛ける、数えて掛ける」を繰り返していきます。

 
「糸かけ 糸かけ曼荼羅」というと素数で掛けることが多いですが、もちろん整数でも掛けられます。

素数・整数どちらでもいいので、掛けていく「数」を決めましょう。
 
 
掛ける「数」は、釘の本数の半数以下から選びます。
 
今回は75本なので・・・75÷2=37.5 
「37」が最大の数になり、37以下の数から選んで掛けていくことになります。
 
円形の場合は24本だったら12以下、48本だったら24以下、64だったら32以下になります。
 
半数より大きい数で掛けていくことも可能ですが、とても掛けにくいです。
そして、九九の糸かけ(糸とおし)を思い出してください。
1の段と9の段、2の段と8の段、3の段と7の段、4の段と6の段が同じ模様(糸の足跡)になりましたよね。
それと同じ現象が起きます。
大きい数は数えるのも大変なので半数以下から選ぶのをオススメします。(お試しにやってみるのはありです)

 
では、素数で掛けた場合と整数で掛けた場合、両方見ていきましょう。
 

  
素数の場合

 
37以下の素数は、37・31・29・23・19・17・13・11・7・5・3・2・1です。
 
まず、一番大きい「37」で掛けてみましょう。

 

 
  五角形の頂点をスタートポイントに
  しっかり固結びをします。
  
  (画像をクリック・タップすると、
  拡大します) 
 
 
 
 
 
 
 

  
  スタートポイントから37数えます。
 
  37番目の釘に糸を掛けます。
 
  右回り左回りどちらでも構いません。
  シュタイナー教育では右回りという
  決まりがあるそうですが、気にしない
  場合は掛けやすいほうでOKです。
 
  

 
  
  掛けたポイントからまた37数えて
  糸を掛けます。

 
 
 
 
 
 
 


 
  
  
  同じように37数えて糸を掛けます。

 
  これを繰り返します。
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
  法則性が見えてきますね。
 
  ピンピンに強く張って掛けてしまうと
  釘が内側に倒れてきて掛けにくくなっ
  てしまうので、強くなり過ぎないよう
  張りの強さに注意しましょう。
 
 
 
 
 

 
  あと一釘掛ければ終了です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  全部の釘に掛け終わると・・・
  スタートポイントに!?
 
 
  これが素数と糸かけの不思議です。
  素数で掛けると最後にスタートした
  ところに辿り着きます。

 
  スタートポイントに戻って来なかった
  時はどこかで間違えています。

  
 

  
  終わりもしっかりと結びます。
   
  糸が緩まないようにしましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 

  次の糸が掛けやすいように
  糸を釘の根元まで下げます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
次は「31」を同じ要領で掛けていきます。


 

 

 

 

 
  全部の釘に掛けてスタートポイントに
  戻ってきました。

 
  解けないようにしっかり結びます。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
次は「29」で掛けます。

 

 

 

 
  
  しっかり結んだら、糸を下げます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
星の形が現れました。


 
内部に現れる曲線は、大きい数で掛けた時は小さく、小さい数で掛けた時は大きくなります。
模様を綺麗に見せるには大きい数から掛けていくと良いです。

 
 
〈37・31・29で掛けた図〉

 
素数で掛けると「全部の釘に糸を掛け終えた時、スタートしたところに必ず戻ってくる」
 
同じ釘に二度掛けることになったり、最後にスタートしたところに戻ってこなかったりする場合は、どこかで間違えています。
一呼吸入れてやり直しましょう。

 
 
 
整数の場合

 
では、整数で掛けた場合どうなるのかも見てみましょう。

 
「36」で掛けていきます。
 

 
  掛け方は素数の時と同じです。
 
  スタートポイントから36番目の釘に
  掛けます。

 
 
 
 
 
 
  

 

 
  整数の場合、数によってはこのように
  全部の釘に糸が掛かっていないのに
  スタートしたところに戻ってきてしまう
  ことがあります。

 
 
 
 
 
 
  

 
  
  そうなってしまった時は、
  右に一つずらします。

 
  ずらしたところをスタートに
  そこから数を数えて掛けていきます。
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
  また戻ってきてしまいましたので、
  右に一つずらして再々スタートします。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
  全部の釘に掛け終わった時、
  画像のように糸が横に繋がる箇所が
  出てきます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

次は「30」で掛けてみます。

 

 

 
  途中でスタートしたところに戻ってきて
  しまったので、一つずらして再スタート
  します。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
  「戻ってきてしまったら一つずらして
  再スタート」を全部の釘に掛け終える
  まで繰り返していきます。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
  全部掛け終わりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  右上の辺のほとんどは横に繋がった状態
  になりました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

次は「27」で掛けてみましょう。

 

 

 
  27も途中でスタートしたところに
  戻ってきてしまったので、一つずら
  して再スタートです。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
  全部の釘に掛け終わりました。
 
  掛け方は素数の時と変わりないので、
  内部にできる曲線の大きさも素数の時と
  同じく、掛ける数が大きければ小さく、
  掛ける数が小さければ大きくなります。

 
 
 
 
 
 

 
 

〈36・30・27で掛けた図〉

 
素数で掛けた時と現れる形は同じです。
 
違うのは、途中でスタートポイントに戻ってしまう数があること。
(素数のように最後に戻って来る数もあります)

 
全部の釘に糸が掛かっていないのに戻ってきて一つずらして再スタートするので、掛け間違いやすいですし、間違えていることに気付きにくいです。
整数は、素数より少し難易度が高くなります。

 
それから、糸が隣の釘と繋がっている箇所が出たり、掛け終わるポイントがバラバラになったりと、見た目としてスッキリしないという面もあります。 

 
 
 
結び目の処理

 

 
  そのままでもカットしてもどちらでも
  構いません。

  見た目をスッキリさせたいならカット
  しましょう。

 
  ボンドなどの接着剤を結び目に付け、
  乾いてから短くカットすると解ける
  心配がありません。

 
 
 
 
 
 
 
 

 
まとめ

 
  

・基本的な掛け方は「数えて掛ける」
 
・素数で掛けると、全部の釘に掛け終わる時にスタートポイントに戻って来る
 (最後にスタートポイントに戻ってこなかったり、掛けていない釘があったりする場合は間違えている)
 
・整数は全部の釘に掛け終える前に途中でスタートポイント戻ってしまう数がある
 (素数のように全部の釘に掛け終わる時にスタートポイントに戻る数もある)

 
 
この基本的な掛け方をマスターしてしまえば、どんな形でも掛けられます。
今回は五角形でやりましたが、円形でも三角形でも四角形でもOKです。

 
ひとまず「糸かけ」というものを体験してみたい場合や見た目を重視したい場合は、全部素数で掛けるのが良いと思います。
素数で掛けると、数の不思議やリズムを感じられますし、ミスにも気付きやすいのでストレスなく糸かけを愉しめると思います。

 
整数は、規則性をつかみにくいのである程度糸を掛ける作業に慣れてからにしたほうがストレスが少ないかもしれません。
やり直し作業が多くなると疲れてしまいますからね。

でも、整数は全部の釘に掛かっていなくても綺麗な模様になる数もあるので、スタートポイントに戻ってきたところで結んで終わりにすることも可能です。
そういう愉しみ方もあります。
 
また、素数・整数のミックスで掛けると、内部に現れる曲線の大きさを調整できます。
自分の好みで内側から広がっていく様子を細かく表現できるので、素数・整数にこだわりがなければミックスで掛けてみると面白いと思います。

 
〈37・31・26・23・19で掛けました〉

 
 
五角形の特徴ですが・・・
27〜24で掛けると内側に現れる曲線は「五角形」ではなく「円」になります。

37〜28は五角形、27〜24は円、23〜は五角形と、徐々に丸みを帯びて円になり、円になった後は徐々に角が出てきて五角形になるという特徴があります。

 
円形で掛けると内側に現れる曲線は全部「円」になりますが、他の形だと五角形のように何か特徴があるかもしれません。
そういうものを見つけるのも、色々な形で掛ける楽しみの一つだと思います。
ぜひ見つけて教えていただけると嬉しいです。

 
 
それから、糸かけは糸とおしと違って「立体」なので、1㎝の釘の高さを使って立体感を演出できます。
 

 
  次の糸を掛けやすように釘の根元まで
  下げると書きましたが、掛け終わった
  後に画像のように上げると奥行きが
  出ます。

 
  一番上の層だけ上げたり、全部根元まで
  下げたりとお好みで色々とやってみて
  ください。

 
 
 
 
 

 
 
  
長々と書きましたが、以上が基本的な糸の掛け方の解説です。
参考になったら嬉しいです。
ぜひいろいろな形で掛けてみてくださいね!

 
 
糸かけ 五角形3

 
 
 

 
糸かけもいいけど、糸とおしをやってみたいという方はぜひ「糸とおしワークショップ」にご参加ください😊
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ぜひチェックしてみてください。
また、ワークショップについて綴ったページもご覧くださいね!
ワークショップ WORKSHOP
皆さんと一緒に糸とおしを楽しめることを楽しみにしています♪

 
 

 
 

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