“真っ直ぐ”から「自由自在」へ
糸とおしは、紙に穴をあけ、その穴に糸を通して模様を織り成してゆくアートです。
穴と穴、つまり点と点を結びますので、そこから生まれるのは当然「直線」のみです。
真っ直ぐなラインでしか表現できないので「不自由・制限」に思えてしまいますが、
実はそんなことはなくて、直線をズラしながら重ねていくことによって曲線が生まれ、
その曲線と直線とを組み合わせることによって様々な模様が生まれてきます。
少し考えを拡げ過ぎかもしれないのですが、不自由で制限がある中でも、
ちょっと視点を変えてみると思いの外自由に動ける事って日常であると思います。
制限だと思っていたけれど実はそんなに制限ではなかったとか、
ちょっと工夫すれば動きたいように動けることに気付いたとか。
そういうところと糸とおしアートはとても似ているように感じます。
変えようのないものの中であっても、これだけ自由自在に動けるのかと驚きを与えてくれる。
「有限から無限への可能性」を感じさせてくれる。
それが糸とおしの魅力だと感じています。
直線が織り成す模様の美しさは勿論のこと、制限の中に秘められている自由や可能性を
少しでも作品から感じていただけるよう神聖幾何学模様、曼荼羅、蝶や猫といった動物、風景など、
題材に囚われず自由に思いつく限り遊び心を持って制作しております。