ABOUT

コンセプト

“真っ直ぐ”から「自由自在」へ

 

糸とおしは、紙に穴をあけ、その穴に糸を通して模様を織り成してゆくアートです。
穴と穴、つまり点と点を結びますので、そこから生まれるのは当然「直線」のみです。
真っ直ぐなラインでしか表現できないので「不自由・制限」に思えてしまいますが、
実はそんなことはなくて、直線をズラしながら重ねていくことによって曲線が生まれ、
その曲線と直線とを組み合わせることによって様々な模様が生まれてきます。

 
少し考えを拡げ過ぎかもしれないのですが、不自由で制限がある中でも、
ちょっと視点を変えてみると思いの外自由に動ける事って日常であると思います。
制限だと思っていたけれど実はそんなに制限ではなかったとか、
ちょっと工夫すれば動きたいように動けることに気付いたとか。
そういうところと糸とおしアートはとても似ているように感じます。

 

変えようのないものの中であっても、これだけ自由自在に動けるのかと驚きを与えてくれる。
「有限から無限への可能性」を感じさせてくれる。

 
それが糸とおしの魅力だと感じています。

 
直線が織り成す模様の美しさは勿論のこと、制限の中に秘められている自由や可能性を
少しでも作品から感じていただけるよう神聖幾何学模様、曼荼羅、蝶や猫といった動物、風景など、
題材に囚われず自由に思いつく限り遊び心を持って制作しております。
 
 
糸とおし 過程

 
 
 
 

ご挨拶

 

こんにちは、糸とおし作家のくみこと申します。

 
ホームページをご訪問いただきありがとうございます。

 
糸を使ったアートでは「糸かけ・糸かけ曼荼羅」がよく知られていますが、
紙を使ったものはあまり見かけないのではないかと思います。
呼称も統一されたものがありません。
「紙に穴をあけて糸を通している」という点から私は「糸とおし」と呼んでいますが、
他の呼び方ですと「紙刺繍」や「スレッドアート」になるでしょうか。
まだまだ世間に知られていない未知の部分が多いアートです。

 
糸とおしは、糸かけ・糸かけ曼荼羅の紙バージョンとも簡単に言えますが、
糸かけにはない魅力的な点があります。
狭い間隔で穴をあけることができることから線(ライン)の美しさと繊細さが際立ちますし、
色の変化を楽しむことができます。
糸をたくさん重ねていくことで色を微妙に変化させていくことができるので、
グラデーションといった色が変化していく様子を美しく表現することができるのです。
観る角度や光の当たり方によっても色彩や色調が変わって見えます。
また、厚みがないので額縁に入れて飾ることもできます。

 
糸かけには糸かけの良さが、糸とおしには糸とおしの良さがありますので、
このホームページでは糸とおしの美しさや繊細さを少しでもお伝えできればと思います。

 
ただ残念なのが、画像ではほんのちょっとしか糸とおしの美しさや繊細さをお伝えできないこと。
実物と画像ではだいぶ違います。
ラインの美しさをより際立たせるためにポリエステルや綿の糸ではなく「絹糸」を使用しているのですが、
実際に光が当たっている作品は絹糸の光沢により立体感が出て本当に美しいです。
どのアート作品もそうだと思いますが、やはり実物に勝るものはないですね。

 
画像からでも美しさを感じていただけるよう作品や糸とおしにまつわる事をご紹介していきますので、
お付き合いの程どうぞよろしくお願いいたします。
そして実物をお手に取って糸とおしの美しさ・繊細さ・立体感を実際に感じていただけたら嬉しく思います。

 
 
くみこ

 
 
 

制作過程

 
糸とおし作品がどういう風に出来上がっていくのかご紹介します。

 
1.作 図

 
糸とおし 作図 
  紙やトレーシングペーパーに題材の下絵を描きます。
 
  穴をあけるラインやポイントに印を付けていきます。
 
  規則的な通し方をして規則的なライン(模様)
  を出したい場合は、穴をあける場所が決まっている
  ので間違いのないよう丁寧に印を付けます。
  (画像だと鱗の部分)
 
  不規則な通し方でも大丈夫な箇所は輪郭だけ描きます。
 
 
 
 
 
 

 
2.穴あけ

 
 
  下絵の紙を厚紙(ボード)の上に重ねて、
  作図で付けた印の箇所に目打ちや千枚どうしで
  穴をあけていきます。
 
  下絵と厚紙(ボード)がズレないようマスキングテープ
  などで固定します。
 
  穴をあけるポイントが決まっている箇所は丁寧に、
  不規則な通し方でも大丈夫な箇所はなるべく間隔が
  均等になるようにあけていきます。
糸とおし 穴あけ完了
  
  
 
 
  〈穴あけ完了〉
  光に透かすと、穴から光が漏れて点描のようになります。
 
  
  
  
 
 

  
 
 
 
 
 
 
 

3.糸通し

 
糸とおし 糸通し作業
  糸を通していきます。
 
  ひと針ひと針丁寧に、バランスをみながら通します。
 
  木綿やポリエステルの糸ではなく、
  絹糸を使用しています。

 
  絹糸は光沢があるので、観る角度や光の当たり方によって
  色が変化して見えます。
  グラデーションなどがとても美しく表現できます。
  色彩の変化だけでなく立体感と高級感も出ます。
 
 
 
 
 
 

4.額 装

 
糸とおし 額装 
  作品に合う額縁を選び、作品を入れます。
 
  これで完成です。
 
  作品によっては和紙等で縁取りをします。
  糸とおし 富士山

 
 

 
 

オーダーメイド

 
オーダー制作も承ります。
 
題材やサイズ、ご予算などのご要望をお訊きして制作させていただきますので、お気軽にご相談お問い合わせください。

 
糸とおし 華厳の滝 
  〈オーダーメイド例〉
  
  「華厳の滝」をというオーダーをいただきまして制作しました。
 
  額装はお任せということでしたので、和紙を貼り高級感を出しました。
 
 
  
 
 
 
 

オーダーの際にご希望の題材の画像などを一緒にお送りくださるとイメージが具体的になります。
なるべくご用意くださいますようお願いいたします。
 
サイズや使用する絹糸の色数を変えるなど、ご予算に配慮した対応をさせていただきます。
お気軽にご相談ください。
 
 
オーダーメイドのお申込み・お問合せは、お問合せページからお願いいたします。
ご希望の題材・サイズ、ご予算・ご要望をお知らせください。
 
※色味などは、ギャラリーページの作品をご参考ください。